牧野富太郎・・・どこかで聞いたことのある名前だなぁ~とお思いの方も居られるかと思います。花や樹木など植物好きな方には馴染み深い名前かもしれません。日本における「植物分類学の父」と言われる牧野富太郎博士は明治から大正、昭和に至るまで、数多くの植物を見出して名前を付けたり、詳しく調べて図に描いたりして植物分類学の基礎を作り上げました。そこには我々が「非木材」に分類している植物も多々含まれます。一例を挙げると、富太郎の研究生活全般を長年にわたり支えた妻・スヱの名にちなんで、新種の笹に「スエコザサ」と命名しています。また、著書「植物一日一題」には葦(ヨシ)や竹、シュロ(ヤシ類)などの項があり、あらゆる植物に対する造詣が極めて深かったことがわかります。
この牧野博士の生涯がこのたびNHK朝の連続テレビ小説になりました。「らんまん」のタイトルでこの4月から半年間、毎朝テレビで博士の波乱万丈な年月が綴られるわけですが、博士の地元・高知県はたいへん盛り上がっているようです。高知市内にある牧野植物園や、終の棲家があった東京都練馬区の牧野記念庭園では朝ドラ開始を間近に控え、連日大勢の来訪者でにぎわっているとのことです。
皆さんもこれを機に、朝ドラを見ながら牧野博士のように植物への思いを改めて巡らせてみてはいかがでしょうか。