非木材グリーンマークの30年

非木材グリーンマークの30年

非木材グリーン協会 会長 添田馨

現在の「非木材グリーンマーク」は、前身の「非木材紙マーク」の発足時から数えると今年でちょうど30周年の節目を迎えます。1993年に前身組織の「非木材紙普及協会」が発足し、「非木材紙マーク」も同時に産声をあげました。当時は「非木材パルプを重量比5%以上使用した紙・紙製品、加工品」に対してマークの表示ができました。

「地球環境保全に心がけ、木材パルプの代替資源として非木材パルプを使用した紙、紙製品を普及させる」ことを目的として設定された環境ラベルで、‶非木材〟に特化した国内唯一のラベルである点は現在も変わりません。

2007年1月より、「特定非営利活動法人 非木材グリーン協会」として当協会は新たな歩みを始めました。協会名を変えることにより「更にグローバルな視点に立って、地球温暖化防止と木材資源を補完する活動を展開していきたい」というのが、その狙いでした。

「非木材紙マーク」も協会名の変更に伴って、「非木材グリーンマーク」へと改称されました。旧名称のなかにあった「紙」の文字を外したのは、非木材を原料にした製品が印刷・情報用紙といった「紙」に止まらず、壁紙、包装容器、自動車の部材、衣料品、建材などの産業用途にまで幅広く利用されるようになった結果、‶より広汎な商品分野〟をカバーする環境ラベルとしての性格をアピール可能な、新たな呼称への脱皮が必要とされたことによります。

ところが当協会がNPO法人「非木材グリーン協会」として船出したその直後の2008年1月に、非木材紙を含む環境対応紙全般の信頼性が大きくゆらぐことになる事件が起こりました。世にいう「古紙パルプ配合率偽装問題」です。その余波をうけ非木材パルプについても配合率の乖離が問題となり、当協会が認定する非木材グリーンマークの認定件数も半減する事態になりました。

このことの反省に立って、当協会では2008年5月から非木材グリーンマーク認定申請のあった商品を、JIS規格P8120に準じた分析法に切り換え、併せて「配合率」から「含有率」という表示に改めたうえで、正しく数値表示されている商品についてのみ認定を行なうことで、非木材グリーンマークをよりいっそう信頼性の高い‶含有率保証マーク〟とすることといたしました。

この新しい認定基準は2010年1月1日より実施され、現在にまで至っています。