2021年1月8日に「緊急事態宣言」が再発され、連日日本全国の新型コロナ感染者数が5,000人を超え、死亡者も100人近くになっていますが、各種メディアによりますと、米国では1日の感染者数が20万人を超え、死亡者も4千人という途方もない数字が報じられています。イギリスやフランスなどヨーロッパ諸国も数多くの人が感染し、亡くなる事態、さらに「感染率の高い」とみられる変異株のウイルスの発生などを受けて再度の入出国の制限、不要不急の外出、とりわけ夜間の外出の規制を含むロックダウンが行われています。
一方で、欧米諸国ではワクチンの提供が始まっていますが、ワクチンの配布体制や効果および安全性についての不安も指摘され、期待したとおりに進んでいるという状況ではないようです。 そこで、日本と欧米の感染爆発の違いは何かを、できるだけ新しいデータを客観的に評価して見ることを試みました。各国の感染者数および死亡者数は総合的に判断して、Googleニュース(https://news.google.com/covid19/map?hl=ja&gl=JP&ceid=JP%3Aja&mid=%2Fm%2F07ssc)の1月15日までのデータを用い、人口についてはFAOSTATの2018年のデータを使って計算してみました。その結果を表にまとめました。
感染拡大には政策対応が、死亡者数については政策に加えて医療環境の整備が関係していることはもちろんですが、それ以上に人類のひとつの区分の違い、すなわち黒色人(ネグロイド)、黄色人(モンゴロイド)、白色人(コーカサイド)およびオーストラリア先住民(オーストラロイド)よる差が歴然としていることが明確だとの結論を引き出すことができます。
1月19日早朝のNHK BS1の「ワールドニュース」の中で、オーストラリアでは、感染者累計29,000人のうち、アポリジニの感染者は143人で死亡者はいなかったとレポートしていました(なおオーストラリア統計局2011データによるとアポリジニはオーストラリア全国民の約5%)。それだけでは全体を判断することはできませんので、国民のほとんどがオーストラロイドの隣国パプアニューギニアのデータを参考に見てみますと、人口10万人あたりの感染者数および死亡者数はそれぞれ10人および0.1人と極めて低くなっています。
次いで、ネグロイドが大多数のサブサハラアフリカ諸国(サハラ砂漠以南のアフリカ諸国で約45ヶ国)では、それぞれ208人および4.8人です。その多くがコーカサイドに位置づけられる西アジア地域を除くアジア地域ではモンゴロイドが多くを占めますが、人口10万人当たりの感染者数は371人、死亡者は6.7人で続きます。この中に入る日本ではそれぞれ255人および3.3人となっています。
一方、大部分がコーカサイドのヨーロッパ各国および北米では、10万人当たりの感染者数および死亡者数が、なんとそれぞれ3,000~6,000人および80~110人というとんでもない数になっていたのです。オーストラリアおよびニュージーランドは共に多民族国家で、それぞれ全国民の74.4%および74%が欧州系、すなわちコーカサイドでありながら、両国とも極めて低い感染者数および死亡者数なのは、感染拡大を抑制する時宜を得た政策の効果とみてよいでしょう。
ところが、具体的数字は得られていませんが、感染者が最も多いアメリカでは、「新型コロナウイルスの感染者および死亡者に占める黒人およびヒスパニックの割合が高い」と報道されています。これは、黒人およびヒスパニックが社会的底辺に置かれているという社会的経済的政策のためと言いうるでしょう。
以上の結果は、パンデミックにおける時宜をえた効果的な対応に加えて、平常期での社会経済政策の推進こそが欠かせないことを明確に示しているでしょう。さらになぜ皮膚の色でこれだけの差が生み出されているのか、遺伝的背景についての研究も重要でしょう。
(飯山賢治)