ブタは、2017年世界で10億頭弱、最大は中国で4億3,500万頭飼育されています。ベトナムは南北統一後の生活の安定が進んでいると思われることから、1980年以降指数関数的にブタの飼育頭数が増加して、2017年には2,740万頭で世界6位になっています。国民一人当たりの頭数は0.29頭です。ちなみに日本は0.07頭、イスラム教国を除く世界平均は0.13頭ですから、ベトナムのブタの飼育密度はかなり高いと言えます。
ベトナムの農村では多くの家庭でブタを複数頭飼育しており、その糞尿はそのまま畑の肥料にするか、魚の養殖用飼料として使っていました。
ブタの糞尿を嫌気的状態に置けば容易にメタンが発生することに目を付け、発生したメタンを、プラスチックバックを用いて安価に捕集し、利用するシステムを、ブタを飼育している約200件の農家に提供しました。
その結果、農家の台所の近代化が図られるとともに、この成果をもとに、国連CDM理事会に「クリーン開発メカニズム(CDM)」に基づく「認証排出削減量(CER)」登録を進めています。
(飯山賢治)