グリーンに向けた取組:エルサルバドル~上空からケナフ栽培適地の検索

ヘリコプターからみたサン・
ミゲロ近郊の砂糖工場

 エルサルバドルという国をご存知でしょうか?中米の中央に位置し、カリブ海に面していない唯一の国で、人口は 642 万人です。2001 年 1 月の同国での地震災害の後、来日された副大統領は、綿花や砂糖を中心とする農業から脱却し、ケナフの植生及び利用のよる新産業開発のための協力を求めました。

サトウキビ栽培跡地
でのケナフ栽培

 2001 年 7 月、成田からシカゴを経由してエルサルバドル国際空港に降り立ちました。エルサルバドルは国の中央を東西に火山が連なり、首都サンサルバドルのある地域は比較的高地(650m)で過ごしやすい地ですが、空港は火山帯の南の低地(100m)にあります。エルサルバドルの担当者との協議を終え、首都近郊の砂糖工場を訪問したのち、ヘリコプターをチャーターして 120km 先のケナフ栽培地である東部サン・ミゲロを見に行きました。

エルサルバドルを東西に走る
パンアメリカハイウェイ
(ヘリコプターから)

 途中、東西に伸びる南北アメリカ大陸の縦貫道路パンアメリカハイウェイを眼下に見ることができました。同ハイウェイは、北は北極海に面したプルードー湾(70.2ºN148.4ºW)を起点にし、カナダ、米国、エルサルバドル等中米諸国、エクアドル、チリを経てアルゼンチン南端のウシュアイア(54.8ºS68.3ºW)まで連なる地球一周を超して縦横に張り巡り、整備された全長 48,000km の道路です。

火山ボルカン・デ・
サンビセンテ火口
展望台から

 ヘリコプターはさらに東に向かいホンジュラスとの国境に近い港湾の街ラ・ウニオン( La Union)を経て、太平洋岸を西に向かいました。エルサルバドルの太平洋岸は、プエルト・エル・トリウンフォ(Puerto El Triunfo)をはじめ複雑な水路と湖を抱える平原で、上空からも放棄された荒れ地(同行者によれば放棄された綿花耕作地)が点々と見えていました。この綿花耕作地でのケナフの栽培の可能性、さらにそのケナフからの製紙用パルプ工場を先に見たラ・ウニオン地区に設置することができるのではないかなどを検討しました。

 サンサルバドルに戻ってから、現地スタッフの車で 40km 東の、今は活動を止めている火山ボルカン・デ・サンビセンテ(Volcan de San Vicente)の火口壁を見学しました。

(飯山賢治)